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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 Clostridioides difficileコロニーを用いたC. DIFF QUIK CHEKコンプリートにおける最適なCDトキシン検査条件
論文言語 J
著者名 木部 泰志1), 清祐 麻紀子1), 堀田 多恵子1), 康 東天1,2)
所属 1)九州大学病院検査部
2)九州大学大学院医学研究院臨床検査医学分野
発行 臨床微生物:32(4),229─233,2022
受付 令和4年3月31日
受理 令和4年5月25日
要旨  Clostridioids difficileコロニーを用いたイムノクロマト法によるtoxin検査(コロニーIC)は,C.difficile感染症(CDI)診断において重要で,多くの施設で実施されているが,検査条件が定められておらず,施設ごとに方法が異なる。今回,コロニーICの最適な検査条件の決定を目的に,コロニー培養時間と菌液濃度の検証を行った。2011年1月~2018年12月に当院で分離され,保存されていたC.difficile 30株を用いた。PCR法にて毒素遺伝子を証明し(A+B+株:25株,A-B+株:5株),バイタルメディアCCMA培地にて,35℃,嫌気条件下で24時間,48時間,72時間培養し,発育したそれぞれのコロニーを用いてMcFarland(McF)2.0,3.0,4.0,5.0,6.0の試料を作製しC.DIFF QUIK CHEKコンプリートで測定した。24時間培養コロニーでは感度100%となる条件はなく,48時間培養コロニーではMcF5.0以上で感度100%,72時間培養コロニーではMcF2.0以上で感度100%であった。したがって,迅速かつ正確な検査条件は,48時間培養コロニーでMcF5.0以上の菌液を作製して実施することであると考えられた。コロニーICの検査条件の設定は,正確なCDI診断と検査の標準化につながると考える。
Keywords Clostridioides difficile, CDトキシン, toxigenic culture, C. DIFF QUIK CHEKコンプリート, イムノクロマト
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