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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 DPS192iX用プレートEPG1の薬剤感受性測定精度およびジピコリン酸を用いたmetallo-β-lactamase検出精度の評価
論文言語 J
著者名 松本 紗也加1), 大沼 健一郎1,2), 西田 全子1), 楠木 まり1,2), 石田 奈美1), 小林 沙織1), 西川 佳佑1), 大路 剛1,2,3), 宮良 高維2), 今西 孝充1), 矢野 嘉彦1,4)
所属 1)神戸大学医学部附属病院検査部
2)神戸大学医学部附属病院感染制御部
3)神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野
4)神戸大学大学院医学研究科消化器内科学
発行 臨床微生物:32(4),238─244,2022
受付 令和4年3月29日
受理 令和4年6月8日
要旨  薬剤感受性分析装置DPS192iX(栄研化学)用プレートEPG1(以下EPG1,栄研化学)は,ジピコリン酸(dipicolinic acid:DPA)添加薬剤を搭載し,metallo-β-lactamase(MBL)産生菌の検出が可能である。今回,カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(carbapenemase-producing Enterobacterales:CPE)54株,non-CPE 56株を用いて,EPG1の薬剤感受性検査の測定精度およびMBL検出精度を評価した。ドライプレートを対照法とした本法のMIC±1管差一致率は86.4%~100%を示し,major error,very major errorともに3%以下であった。また,ceftazidime,imipenem,meropenem(MEPM)単剤に対し,DPA添加薬剤のMICが4倍以上低下した株を陽性とした場合のMBL検出率は95.3%を示し,MBL産生菌以外のCPEおよびnon-CPEは陰性であった。偽陰性となったMBL産生菌2株は,MEPMのMICが0.25 μg/mL以上であり,他の確認検査と組み合わせることによりMBLの検出が可能であった。以上より,EPG1を用いた薬剤感受性測定精度およびMBL検出精度は良好であり,日常検査に有用であることが示唆された。
Keywords metallo-β-lactamase, ジピコリン酸, 薬剤感受性検査, DPS192iX
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