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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Oligella urethralisによる血流感染症を伴う閉塞性尿路感染症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
髙田 茜1), 星野 ひとみ1), 佐藤 加奈子2), 田制 しのぶ3), 平井 由児4,5) |
所属 |
1)公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院検査科
2)公益財団法人東京都保健医療公社豊島病院検査科
3)公益財団法人東京都保健医療公社多摩北部医療センター検査科
4)公益財団法人東京都保健医療公社多摩北部医療センター内科
5)東京医科大学八王子医療センター感染症科 |
発行 |
臨床微生物:32(4),262─266,2022 |
受付 |
令和4年3月22日 |
受理 |
令和4年6月24日 |
要旨 |
閉塞性尿路感染症患者の血液培養よりOligella urethralisが検出された1例を経験したので報告する。症例は68歳女性,脳性麻痺で長期療養施設に入所していた。複雑性尿路感染症の既往があり,入所中に発熱したためlevofloxacinの内服と膀胱洗浄が行われた。当院救急外来受診時に実施した血液培養と尿培養よりグラム陰性桿菌を認めた。同定キットの結果よりO. urethralisを疑ったが菌種の決定には至らず,16S rRNA遺伝子解析でO. urethralisと同定された。複雑性尿路感染症としてtazobactam/piperacillinを3週間投与後,軽快した。O. urethralisは尿路・生殖器領域の常在菌であることから,本菌による感染症が過少評価されている可能性がある。O. urethralisを正しく検出することが重要であり,そのためには特徴的なグラム染色像の把握と培養期間の延長,質量分析装置や16S rRNA遺伝子解析による同定が重要である。 |
Keywords |
Oligella urethralis, 腎盂腎炎, フルオロキノロン耐性 |
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