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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 (1→3)-β-D-glucanおよびエンドトキシン測定機器LIMSAVE MT-7500の臨床性能評価
論文言語 J
著者名 森 圭一郎1), 松村 康史1,2,3), 土戸 康弘1,2,3), 湯川 理己1,2,3), 野口 太郎1,2,3), 山本 正樹1,2,3), 長尾 美紀1,2,3)
所属 1)京都大学医学部附属病院検査部
2)京都大学医学部附属病院感染制御部
3)京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学
発行 臨床微生物:33(1),18─24,2022
受付 令和4年6月14日
受理 令和4年8月12日
要旨  (1→3)-β-D-グルカン(BDG)とエンドトキシンは,それぞれ侵襲性真菌症と重症グラム陰性桿菌感染症の迅速補助診断に用いられている。富士フイルム和光純薬はBDGとエンドトキシンの測定機器としてLIMSAVE MT-7500を開発した。本研究では,既存のリムルス試薬であるβ-グルカン テストワコーとエンドトキシン-シングルテストワコーを用いて,MT-7500と既存の測定機器であるTOXINOMETER MT-6500の臨床的性能の比較を行った。対象は京都大学医学部附属病院にて2020年12月から2021年7月までにBDGまたはエンドトキシン測定依頼のあった血漿検体とした。1076検体のBDG測定値と178検体のエンドトキシン測定値の相関および定性判定一致率を比較した。BDG測定では,測定機器間の測定値の相関係数は0.996であり,カットオフ値を11 pg/mLとした場合の陽性一致率,陰性一致率,全体一致率はそれぞれ93.9%,99.8%,98.9%であった。エンドトキシン測定では,測定機器間の測定値の相関係数は0.970であり,カットオフ値を5.0 pg/mLとした場合の陽性一致率,陰性一致率,全体一致率はいずれも100%であった。新たな測定機器MT-7500は,BDGおよびエンドトキシンの測定において,MT-6500と同等の性能が得られることが示唆された。
Keywords (1→3)-β-D-glucan, invasive fungal diseases, endotoxin, sepsis, endotoxemia
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