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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 OxacillinのMICが0.5~2 μg/mLのCoagulase negative StaphylococcusにおけるmecA遺伝子保有判定法についての検討
論文言語 J
著者名 中里 恵梨香, 木村 由美子, 佐々木 一雅, 阿部 文憲
所属 自治医科大学附属病院臨床検査部
発行 臨床微生物:33(1),30─35,2022
受付 令和4年5月5日
受理 令和4年9月5日
要旨  2020年に勧告されたCLSIのM100-30th Editionでは,Staphylococcus spp. はoxacillin(MPIPC)およびcefoxitin(CFX)の測定条件により4グループに分類され記載されている。その中でOther Staphylococcus spp. のMPIPCのMIC値0.5~2 μg/mLでは,methicillin耐性を過剰に判定する可能性があり,重症感染症ではPCR検査によるmecA遺伝子もしくはPenicillin binding protein2´(PBP2´)の確認が必要であるとコメント欄に記されている。当院で分離されたOther Staphylococcus spp. のうちMPIPCのMIC値が0.5~2 μg/mLであった30株を用いてmecA遺伝子およびPBP2´の検出を行った。その結果,いずれも陰性が17株(56.7%)であり,半数以上がmethicillin耐性を過剰に判定していることがわかった。mecA遺伝子の検出とラテックス法によるPBP2´の検出結果に乖離はほとんどみられなかったことから,PBP2´の検出を行うことでより簡便にmethicillin耐性を判定することができ,より適切な早期治療薬の選択が可能と考える。
Keywords PBP2´, mecA遺伝子, Other Staphylococcus spp., oxacillin
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