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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 腎盂腎炎における尿グラム染色フォローによる早期耐性菌予測の検討
論文言語 J
著者名 阿部 昌文1), 吉川 聡司1), 三枝 万紗2), 上田 剛士1)
所属 1)洛和会丸太町病院救急総合診療科
2)東京大学大学院医学系研究科アレルギーリウマチ内科
発行 臨床微生物:33(1),69─71,2022
受付 令和4年1月12日
受理 令和4年5月13日
要旨  腎盂腎炎における抗菌薬治療の効果判定はこれまで臨床経過と培養結果を参考にして行われてきた。我々は抗菌薬治療開始後48時間以内に尿グラム染色フォローをすることで,より早期に耐性菌を予測できるかどうかを検討した。当科で最近6.5年間に腎盂腎炎として入院加療を行った271例を集計した結果,フォロー時のグラム染色で菌体が残存していた場合の耐性菌予測における診断特性は感度41%,特異度82%,陽性尤度比2.32,陰性尤度比0.71であった。特に菌体が伸長していた場合には早期耐性菌予測に繋がる可能性があり,今後更なる検討が必要である。
Keywords 尿グラム染色, 腎盂腎炎, フォロー
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