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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 3ステップアルゴリズム法におけるClostridioides difficile Toxin検出試薬の有用性評価
論文言語 J
著者名 千葉 美紀子, 中山 麻美, 三浦 悠理子, 勝見 真琴, 阿部 裕子, 藤巻 慎一, 藤原 亨
所属 東北大学病院診療技術部検査部門
発行 臨床微生物:33(2),109─115,2023
受付 令和4年7月31日
受理 令和4年11月25日
要旨  3ステップアルゴリズム法3)におけるClostridioides difficile Toxin検出試薬の有用性評価をするため,従来試薬であるC. DIFF QUIK CHEKコンプリート(CHEK COMPLETE)と新規試薬であるクイックチェイサーCD GDH/TOX(QUICK CHASER)の比較検討を行った。分離菌株を用いた評価では,GDH・Toxin共にCHEK COMPLETEの検出性能が高かった。リボタイプ型によるGDHの検出能に差は見られなかったが,Toxinの検出限界はリボタイプ型で異なる傾向が見られた。臨床検体を用いた評価では,CHEK COMPLETEとQUICK CHASERの検出感度/特異度はGDHで100.0%/96.3%,89.5%/100.0%,Toxinで46.7%/100.0%,26.7%/100.0%であった。CHEK COMPLETEは試薬コストが保険点数を上回るという問題点はあるものの,3ステップアルゴリズム法における性能は十分と考える。一方,QUICK CHASERは1step15分と操作性は簡便であるが,CHEK COMPLETEと比較して感度が低い可能性があり,また,リボタイプ型により検出しにくい株が存在することを考慮する必要がある。
Keywords CDtoxin, C. difficile, GDH, Ribotype, イムノクロマト
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