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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
血液培養からDialister pneumosintesを分離した2症例の細菌学的・臨床的検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
菅沼 瑞穂1), 岩崎 香織1), 橋本 稚佳子2), 西尾 久明3), 木下 愛4), 中村 彰宏5) |
所属 |
1)滋賀県立総合病院臨床検査部
2)滋賀県立小児保健医療センター検査科
3)社会医療法人誠光会淡海医療センター検査診療部
4)滋賀医科大学医学部附属病院臨床検査部
5)天理医療大学医療学部臨床検査学科 |
発行 |
臨床微生物:33(2),121─126,2023 |
受付 |
令和4年10月8日 |
受理 |
令和4年12月26日 |
要旨 |
今回我々は,子宮留膿腫患者と肺膿瘍患者の血液培養からDialister pneumosintesを検出した。症例1は70代女性。上行結腸癌子宮頸部転移による放射線治療中の患者で発熱と軽度腹痛の主訴があり,子宮留膿腫を指摘された。症例2は90代男性。肺膿瘍,膿胸の診断で血液培養に加えて胸水からも本菌が検出された。本菌が血液培養から検出された場合,歯科口腔領域を中心とした膿瘍が感染源である可能性を念頭に入れて検査を進める必要があると考えられた。今まで本菌は16S rRNA塩基配列により同定されてきたが,本2例ともMatrix-assisted laser desorption/ionization time of flight mass spectrometry(MALDI-TOF MS)で同定可能であった。MALDI-TOF MSの普及に伴い,今後症例の蓄積が期待される。 |
Keywords |
Dialister pneumosintes, 血液培養, MALDI-TOF MS |
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