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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Clostridioides difficile感染症に関わる検査 |
論文言語 |
J |
著者名 |
國島 広之 |
所属 |
聖マリアンナ医科大学感染症学講座 |
発行 |
臨床微生物:33(3),175─179,2023 |
受付 |
令和5年3月29日 |
受理 |
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要旨 |
Clostridioides difficileは医療施設において最も多くみられる嫌気性菌であり,ヒト・動物・環境から広く分離される。芽胞を形成しアルコール抵抗性であることから院内感染の原因ともなる。保菌者もみられるため,Bristol Stool Scale 5以上の臨床症状がみられる場合に,適切に検体採取を行う。NAAT検査は高い感度を有することから,結果判明後のCDI治療薬投与期間の短縮ならびに追加検査の抑制,入院期間の短縮による,医療費の抑制が報告されている。現在,Covid-19のパンデミックに伴い,各種感染症遺伝子機器が多くの医療施設で導入されており,中小病院も含め最初からNAAT検査を行うこともできる。医療施設では,感染症医,検査専門医,認定臨床微生物検査技師の連携により,GDH・トキシンによる迅速診断検査,NAAT検査,培養検査の特徴を考慮しつつ,丁寧に検査診断する必要がある。 |
Keywords |
Clostridioides difficile, GDH, トキシン, NAAT |
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