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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 Polymyxin B nonapeptideを用いたカルバペネム低感受性腸内細菌目細菌における抗菌薬膜透過性低下の検出
論文言語 J
著者名 相原 正宗1,2), 柳澤 由佳子1), 西 凛佳子3), 山下 有加1), 木部 泰志1), 清祐 麻紀子1), 堀田 多恵子1)
所属 1)九州大学病院検査部
2)九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野
3)産業医科大学病院臨床検査・輸血部
発行 臨床微生物:33(4),296─301,2023
受付 令和5年4月6日
受理 令和5年6月9日
要旨  本邦のカルバペネム耐性腸内細菌目細菌(carbapenem-resistant Enterobacterales,CRE)の多くは抗菌薬の流入低下が原因となりカルバペネム耐性を獲得していると推測される。しかし,抗菌薬膜透過性の低下を調べる検査法は確立されておらず,その実態は不明である。私たちは膜透過性亢進作用のあるpolymyxin B nonapeptide(PMBN)に着目し,128 μg/mL PMBNの存在下でCREのメロペネムMICが最大32倍低下することを確認した。本条件を当院で分離されたメロペネム低感受性腸内細菌目細菌に適応したところ,modified carbapenem inactivation method(mCIM)陽性群に比べmCIM陰性群で抗菌薬流入低下を示唆する株が有意に多いことが示された。本法はCREの抗菌薬膜透過性低下を簡便に検出する検査法となる可能性がある。
Keywords CRE, CPE, polymyxin B nonapeptide, 抗菌薬膜透過性
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