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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
尿中抗原検査により診断し得たLegionella longbeachaeによるレジオネラ肺炎の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
池成 拓哉1), 池町 真実1), 中西 典子2), 小松 頌子2), 田中 忍2), 松岡 佑3), 德重 康介4), 多田 公英4), 二村 絢子1), 大戸 美穂1), 中野 茉生1), 小池 千裕1), 竹川 啓史1) |
所属 |
1)神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部
2)神戸市健康科学研究所感染症部
3)神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
4)神戸市立西神戸医療センター呼吸器内科 |
発行 |
臨床微生物:34(3),214─221,2024 |
受付 |
令和6年2月2日 |
受理 |
令和6年5月27日 |
要旨 |
今回我々は,尿中レジオネラ抗原検査により診断に至ったLegionella longbeachaeによるレジオネラ肺炎の症例を経験した。患者は80代男性,呼吸困難を主訴として来院した。胸部単純X線検査及び胸部単純CT検査にて広範囲の浸潤影を認め,レジオネラ肺炎が疑われた。リボテストⓇレジオネラ(極東製薬工業)による尿中レジオネラ抗原検査を確認したところ陽性となり,喀痰培養にてL. longbeachae血清群1と同定された。L. longbeachaeは尿中レジオネラ抗原検査の検査対象ではないが,複数の尿中レジオネラ抗原検査試薬で反応性を比較したところ,リボテストⓇレジオネラのみ陽性となった。しかし,検出感度はLegionella pneumophilaと比較して約10,000分の1であり,結果が陰性でもL. longbeachaeの感染を否定できないと考えられた。レジオネラ肺炎は診断の遅れにより致死的な結果に至る場合もあるため,遺伝子検査の更なる活用が必要である。 |
Keywords |
Legionella longbeachae, レジオネラ肺炎, 尿中抗原, 遺伝子検査 |
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