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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2023―2027の概要 |
論文言語 |
J |
著者名 |
具 芳明 |
所属 |
1)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科統合臨床感染症学分野
2)東京医科歯科大学TMDU感染症センター |
発行 |
臨床微生物:34(4),259─266,2024 |
受付 |
令和6年8月19日 |
受理 |
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要旨 |
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2023―2027(アクションプラン2023)は,2016年に開始されたアクションプラン(アクションプラン2016)の改定版として2023年4月に発表された。アクションプラン2023の構成(目標,戦略)はアクションプラン2016とほぼ同様であることから,これまで行われてきたAMR対策を継続していく方針と考えられる。その内容は,アクションプラン2016での取り組みを踏まえ,医療分野のみならず広範囲にわたっている。医療分野に関しては,ここ数年で進歩した各種サーベイランスを中心に,データに基づいた取り組みを推進する方向性が示されている。また,感染対策における地域の医療連携を推進していく方向性が明確である。その一部はすでに実現されており,今後数年以内にいくつかの施策が医療現場に導入されていくと予想される。医療分野の成果指標としては薬剤耐性菌の割合と抗菌薬使用量について目標値が示されている。COVID-19パンデミックを経て感染症による健康危機対応の重要性が広く認識されるようになり,AMR対策はそのひとつとして重視されている。各医療機関はアクションプラン2023の方向性をよく理解してAMR対策に取り組むことが望まれる。 |
Keywords |
薬剤耐性, AMR, アクションプラン, 抗菌薬適正使用, 地域連携 |
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