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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
市販薬組み合わせによる腸内細菌目細菌を対象としたESBL,AmpC,MBL検出法の検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
髙山 美奈1), 坂梨 大輔1), 川本 柚香1), 宮﨑 成美1), 大野 智子1), 山田 敦子1), 中村 明子1), 太田 浩敏1), 末松 寛之1), 千田 澄江2), 平井 潤1,2), 浅井 信博1,2), 森 伸晃1,2), 三鴨 廣繁1,2) |
所属 |
1)愛知医科大学病院感染制御部
2)愛知医科大学病院感染症科 |
発行 |
臨床微生物:34(4),279─285,2024 |
受付 |
令和6年3月21日 |
受理 |
令和6年7月4日 |
要旨 |
耐性菌の迅速・正確な検出は感染対策と抗菌薬適正使用の両面で重要である。本検討では,AmpC/ESBL鑑別ディスク(MastAE)とSodium mercaptoacetic acid(SMA)を併用した新しいβ-lactamase産生菌鑑別法(MastAE-SMA)を考案し評価した。PCRにてExtended-spectrum β-lactamase,AmpC β-lactamaseおよびMetallo-β-lactamase(ESBL,AmpCおよびMBL)産生性が決定された腸内細菌目細菌70株を対象に,MastAE,SMA double disk synergy test(SMA-DDST)およびMastAE-SMAを実施し,PCRとの結果一致率を比較した。ESBLおよび/またはAmpC産生菌に対するMastAEおよびMastAE-SMAのPCRとの結果一致率は,MBL非産生の場合でともに28/28(100%),MBL産生の場合で2/29(7%)および19/29(66%)であった。MBL産生菌に対するSMA-DDSTおよびMastAE-SMAのPCRとの結果一致率はともに37/42(88%)であった。MastAE-SMAはMBLかつESBLおよび/またはAmpC産生菌において,より正確にβ-lactamaseを鑑別することが可能であり,効果的な方法であると考える。 |
Keywords |
表現型検査法, SMA-DDST, AmpC/ESBL鑑別ディスク, β-lactamase |
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