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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
国立がん研究センター中央病院における過去5年間の血液培養検査状況 |
論文言語 |
J |
著者名 |
竹原 健太1), 鈴木 智一1), 金井塚 佳奈子1), 髙田 貴子1), 塩塚 美歌2), 小林 治2) |
所属 |
1)国立がん研究センター中央病院臨床検査科
2)国立がん研究センター中央病院感染症部 |
発行 |
臨床微生物:34(4),292─297,2024 |
受付 |
令和6年4月18日 |
受理 |
令和6年8月20日 |
要旨 |
がん診療連携拠点病院である国立がん研究センター中央病院の血液培養検査の実施状況とその結果について後方視的に調査を行った。2018年1月から2022年12月までの5年間に提出された血液培養検体49,755件を対象とした。対象期間内における年別の検体数は,年間10,000件程度であった。陽性率は8.9~10.7%,汚染率は0.6~0.8%であった。複数セット採取率(小児腫瘍科病棟及び造血幹細胞移植科病棟を除く)は92.2~94.7%であった。感染病態別内訳はカテーテル関連血流感染症(Catheter-related blood-stream infection:CR-BSI)が最も多く23.7%,続いて胆道感染症が22.6%であった。主要分離菌の検出状況は,検出頻度の高い順にCoagulase negative staphylococci(CNS)24.0%,Escherichia coli 11.6%,Klebsiella pneumoniae 8.4%,Enterococcus spp. 7.8%,Candida spp. 6.2%であった。がん診療を専門に行う医療機関の血液培養に関する報告は限られているが,本調査により分離菌にはCNSやCandida spp.が多いといった特徴が示された。 |
Keywords |
血液培養, 悪性腫瘍, 血流感染症, 陽性率, Candidemia |
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