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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Streptococcus属及びHaemophilus influenzaeにおける薬剤感受性測定機器DPS192iXの性能評価 |
論文言語 |
J |
著者名 |
西川 佳佑1), 大沼 健一郎1,2), 楠木 まり1,2), 石田 奈美1), 小林 沙織1), 西田 全子1), 松本 紗也加1), 吉田 奈津希1), 梅本 陵平1), 大路 剛1,2,3), 宮良 高維2), 今西 孝充1), 矢野 嘉彦1,4) |
所属 |
1)神戸大学医学部附属病院検査部
2)神戸大学医学部附属病院感染制御部
3)神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野
4)神戸大学大学院医学研究科消化器内科学 |
発行 |
臨床微生物:35(2),138─143,2025 |
受付 |
令和6年10月24日 |
受理 |
令和7年1月17日 |
要旨 |
我々はStreptococcus属68株とHaemophilus influenzae 78株を使用し,対照法とのMIC±1管差一致率及びカテゴリー一致率による薬剤感受性測定機器DPS192iXの性能評価を実施した。Streptococcus属における本法のMIC±1管差一致率は全ての薬剤で97%以上を示し,カテゴリー一致率はクラリスロマイシンで90%以下となったがVery Major Error(VME)は見られなかった。H. influenzaeにおけるMIC±1管差一致率はイミペネムを除く全ての薬剤で90%以上を示した。カテゴリー一致率はアンピシリン等の一部の薬剤で90%以下を示し,アモキシシリン・クラブラン酸やアンピシリン・スルバクタムにおいてはVMEがそれぞれ数株見られた。また,Streptococcus属のマクロライド系抗菌薬耐性は培養開始より最短6時間,レボフロキサシン耐性は最短5時間で検出できた。H. influenzaeのアンピシリン耐性はβラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性株で最短9時間,βラクタマーゼ陽性アンピシリン耐性株で最短8時間で出現した。本検討よりDPS192iXを用いたStreptococcus属及びH. influenzaeの薬剤感受性精度は良好であり,耐性菌の迅速検出に寄与できる可能性が示唆された。 |
Keywords |
薬剤感受性検査, Streptococcus属, Haemophilus influenzae, DPS192iX, BLNAR |
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