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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
Binary toxin産生性 Clostridioides difficile（Clostridium difficile）による市中型偽膜性大腸炎の1例 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
石村 さおり1,2）, 折田 環1）, 小林 敦子2）, 加藤 はる3） |
| 所属 |
1）宝塚市立病院中央検査室
2）宝塚市立病院感染対策室
3）国立感染症研究所細菌第二部 |
| 発行 |
臨床微生物：27（4），313─319，2017 |
| 受付 |
平成29年2月20日 |
| 受理 |
平成29年6月21日 |
| 要旨 |
Clostridioides difficile（Clostridium difficile）感染症（CDI）は，抗菌薬使用等による腸内フローラの撹乱によって引き起こされることが多い。今回，我々は，抗菌薬使用歴がない外来下痢患者で，binary toxin産生性C. difficileによる偽膜性大腸炎の症例を経験した。患者は下痢と食欲不振で発症して外来受診し入院となった。発症2か月前に抗菌薬の投与歴はなく，また過去の入院歴もなかった。入院第3病日に行った迅速キットによる糞便中クロストリジウムディフィシル抗原（glutamate dehydrogenase，GDH）およびtoxin A/toxin Bは陰性であったが，その後も頻回の下痢と腹痛が続いたため，第8病日に下部消化管内視鏡検査を実施したところ，大腸の広範囲に偽膜形成を認めた。分離菌株はtoxin A陽性toxin B陽性binary toxin陽性であり，PCR-ribotype 019/slpA sequence type cr-03と同定された。本症例は，binary toxin産生性C. difficileに起因する市中感染型重症CDIであった。 |
| Keywords |
Clostridioides difficile（Clostridium difficile）感染症（CDI）, glutamate dehydrogenase（GDH）, binary toxin, 偽膜性大腸炎 |
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