|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
AMR(薬剤耐性)対策における臨床微生物検査室の役割 |
論文言語 |
J |
著者名 |
藤本 文恵, 佐藤 智明, 龍野 桂太, 森屋 恭爾 |
所属 |
東京大学医学部附属病院感染制御部 |
発行 |
臨床微生物:28(1),16─21,2017 |
受付 |
平成29年11月13日 |
受理 |
|
要旨 |
近年,新たな薬剤耐性菌が次々と出現し,世界的問題となっている。世界保健機関(WHO)は薬剤耐性antimicrobial resistance(AMR)を取り上げ,ワンヘルス・アプローチに基づく世界的な取り組みを推進する必要性を国際社会に訴えた。それを受けて我が国では2016年に今後5年間で実施すべき事項をまとめた「AMR対策アクションプラン2016-2020」が発表された。AMR対策アクションプランを実現するための戦略及び具体的な取組として(1)普及啓発・教育,(2)動向調査・監視,(3)感染予防・管理,(4)抗微生物剤の適正使用,(5)研究開発・創薬,(6)国際協力の6項目が設定された。本稿はAMR対策アクションプランの6項目に沿って,関連分野の専門職等への薬剤耐性に対する知識の教育や研修の推進,感染症起炎微生物や薬剤耐性菌発生動向を定期的に集計し情報として発信することの推進,正確な検査体制及び報告体制確立の推進,アンチバイオグラムを活用する抗菌薬適性使用の推進,新たな薬剤耐性菌検出方法の開発の推進及び世界各国との学術交流の推進など,臨床微生物検査室の果たす役割について具体例を挙げながら考えてみる。 |
Keywords |
AMR対策, 臨床微生物検査室の役割, 院内感染対策 |
|