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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
消化器症状を認めなかった患者に発症したCampylobacter jejuni subsp. jejuniによる菌血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
丹羽 麻由美1), 中山 麻美1), 北川 順一2), 太田 浩敏1), 古田 伸行1), 伊藤 弘康3), 村上 啓雄4), 大楠 清文5), 清島 満3) |
所属 |
1)岐阜大学医学部附属病院検査部
2)岐阜大学医学部附属病院輸血部
3)岐阜大学大学院医学系研究科病態情報解析医学分野
4)岐阜大学医学部附属病院生体支援センター
5)東京医科大学微生物学講座 |
発行 |
臨床微生物:28(1),48─53,2017 |
受付 |
平成29年4月14日 |
受理 |
平成29年8月28日 |
要旨 |
下痢や腹痛などの消化器症状を呈さなかった患者の血液培養から,Campylobacter jejuni subsp. jejuniを分離した菌血症例を経験したので報告する。症例は55歳,男性。慢性リンパ性白血病と診断され,造血幹細胞移植目的で当院に入院となった。第10病日に38度の発熱を認めたため,血液培養が2セット採取された。2日後に好気ボトル2セットが陽転し,C. jejuniが検出された。患者に下痢や腹痛などの明らかな消化器症状は認められなかったが,後日採取された便,腸液からも同様にC. jejuniが検出され,大腸内視鏡検査においてもCampylobacter腸炎に矛盾しない所見が確認された。Campylobacter腸炎であっても,明らかな消化器症状を呈さず,一過性に菌血症を起こす可能性があることが示唆された症例であった。 |
Keywords |
Campylobacter jejuni subsp. jejuni, 菌血症 |
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