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日本臨床微生物学会雑誌

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論文名 β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科細菌の薬剤感受性検査におけるDPS192ixの有用性
論文言語 J
著者名 大沼 健一郎1,2), 中村 竜也1,3), 楠木 まり1,3), 石田 奈美1), 小林 沙織1), 藤原 麻有1), 西田 全子1), 大路 剛1,4), 時松 一成3), 林 伸英5), 中町 祐司1), 三枝 淳1,2)
所属 1)神戸大学医学部附属病院検査部
2)神戸大学大学院医学研究科臨床検査医学
3)神戸大学医学部附属病院感染制御部
4)神戸大学大学院医学研究科感染治療学
5)神戸常盤大学臨床検査学科
発行 臨床微生物:28(2),112─118,2018
受付 平成29年6月12日
受理 平成29年12月6日
要旨  感染症治療において適切かつ迅速な抗菌薬投与は治療や患者の予後の改善さらには薬剤耐性菌の発生抑制において重要である。今回我々は,β-ラクタマーゼ産生性の腸内細菌科細菌を用いて,微生物感受性分析装置DPS192iXおよび感受性測定パネルEP01(ともに栄研化学)の有用性を評価した。対象は各種β-ラクタマーゼ産生菌89株とした。ドライプレートパネルを対照法としたMIC一致性の評価では,1管差一致率96.6%~100%,カテゴリー一致率91.1%~98.9%と良好であった。また,1時間ごとにMIC値をモニタリングすることにより,耐性の検出がカルバペネム系薬で4時間,他のセフェム系薬では3時間時点で可能であった。さらに,FRPMの5時間時点でのMICが4 μg/mL以上かどうかの確認は,感度95.5%,特異度87.7%でカルバペネマーゼ産生菌の検出が可能であった。以上より,DPS192iXを用いた薬剤感受性検査は日常検査に導入可能で,薬剤耐性菌報告の迅速化による適切な抗菌薬の選択および高精度なカルバペネマーゼ産生菌スクリーニング検査の一つとして,感染症診療に有用であることが示唆された。
Keywords 薬剤感受性検査, カルバペネム耐性腸内細菌科細菌, faropenem, 薬剤感受性測定機器DPS192iX, 迅速検査
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