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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 Candida属における酵母様真菌FP‘栄研’とライサス酵母様真菌感受性プレートを用いた薬剤感受性試験法の比較検討
論文言語 J
著者名 加藤 維斗1), 大坂 真義2), 佐藤 智明1), 岩脇 研次2), 野村 勇介1), 奥川 周1), 森屋 恭爾1)
所属 1)東京大学医学部附属病院感染制御部微生物検査室
2)日水製薬株式会社製品開発研究部
発行 臨床微生物:28(2),119─125,2018
受付 平成29年7月6日
受理 平成29年12月15日
要旨  我々は,血液培養及び血管内カテーテルから分離されたカンジダ属について,酵母様真菌FP‘栄研’の目視判定結果とライサス酵母様真菌感受性プレート「ニッスイ」RSMY1の自動判定結果とを比較し,その有用性を評価した。  Micafungin,Amphotericin-B,Flucytosine,Fluconazole,Itraconazole,Voriconazole及びMiconazoleに対し精度管理株を用いた再現性,臨床分離株を用いた相関性を検討した。精度管理菌株はそれぞれの方法を用いて3重測定を連続5日測定しCLSIの定める範囲内であった。臨床分離株53株を用いた測定においては,RSMY1でMIC値が1管高い傾向にある薬剤があった。MICの±2管差一致率は,Micafunginが77%,Miconazoleが86%で,その他の薬剤は90%以上であった。カテゴリーエラーはItraconazoleにおいてVery Major Errorが1株(17%),Minor Errorが16株(31%)存在し,VoriconazoleにおいてMinor Errorが1株(2%),Fluconazoleで4株(8%)存在した。MICはすべての薬剤で相関または高い相関を示した。  酵母様真菌の薬剤感受性試験を行う場合は自施設で使用する測定法及び試薬がCLSI精度管理菌株および臨床分離株でどのような傾向があるかを確認し,測定法の特性を理解した上で実施することが望ましい。
Keywords ライサス酵母様真菌感受性プレート, 薬剤感受性, Candida, 酵母様真菌FP‘栄研’
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