日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	北陸地区における薬剤耐性グラム陰性桿菌の動向調査
論文言語	J
著者名	坂上　有貴子1,23）, 片山　雪絵2,23）, 加藤　稔3,23）, 金谷　和美4,23）, 小路　聡美5,23）, 辻田　由加利6,23）, 中河　竜也7,23）, 中野　晃子8,23）, 中野　悦子9,23）, 中村　政雄10,23）, 中室　智恵美11,23）, 新川　晶子12,23）, 西尾　史朗13,23）, 野原　麻香14,23）, 藤田　郁夫15,23）, 舛岡　久美子16,23）, 松村　隆弘17,23）, 宮前　慎一郎18,23）, 森田　絹代19,23）, 谷内　忠信20,23）, 山口　麻衣子21,23）, 薄田　大輔3,22,23）, 河合　泰宏3,22,23）, 飯沼　由嗣3,22,23）
所属	1）公立松任石川中央病院医療技術部検査室 2）医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院検査部 3）独立行政法人国立病院機構七尾病院研究検査科 4）金沢医科大学病院中央臨床検査部 5）金沢医科大学氷見市民病院中央臨床検査部 6）富山県厚生農業協同組合連合会滑川病院臨床検査部 7）富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院臨床検査部 8）加賀市医療センター検査室 9）国民健康保険小松市民病院中央検査科 10）富山市民病院中央研究検査部 11）公益社団法人石川勤労者医療協会城北病院検査部 12）石川県立中央病院医療技術部検査室 13）独立行政法人国立病院機構金沢医療センター臨床検査科 14）公立南砺中央病院検査室 15）公立宇出津総合病院中央検査室 16）羽咋郡市広域圏事務組合公立羽咋病院臨床検査科 17）金沢赤十字病院検査部 18）珠洲市総合病院臨床検査科 19）公立能登総合病院臨床検査部 20）市立輪島病院検査部 21）独立行政法人地域医療機能推進機構金沢病院臨床検査科 22）金沢医科大学臨床感染症学 23）北陸耐性菌サーベイランス研究会
発行	臨床微生物：28（3），203─212，2018
受付	平成29年11月15日
受理	平成30年3月5日
要旨	北陸地区のextended-spectrum β-lactamase（ESBL）産生腸内細菌科細菌，薬剤耐性緑膿菌の分離状況を把握するためのサーベイランス調査を2011年から2016年の6年間にかけておこなった。ESBL産生菌の2011年から2016年分離率推移は，Escherichia coliでは6.5から15.7％と著明な増加を示し，Klebsiella pneumoniaeでも1.1から2.8％と増加傾向を示した。一方，K. oxytocaは1.2～2.9％およびProteus mirabilisは0.5～2.0％で推移しており，変化は明らかでは無かった。Pseudomonas aeruginosaの耐性菌分離率の推移はカルバペネム系薬およびキノロン系薬の2剤耐性菌は2.0～4.4％で推移していた。Multi-drug resistant P. aeruginosa（MDRP）は1.4から0.2％と年々減少が見られた。2013年以降カルバペネム系薬のClinical and Laboratory Standard Institute（CLSI）Document M100-S22，2012を採用する施設が増加したが，それに伴う耐性菌分離率の上昇は認められなかった。北陸地区における地域サーベイランスによる，耐性菌の検出動向の把握は，各施設における感染対策を見直す契機となるだけでなく，地域包括的な耐性菌の感染制御を行う上で重要であると考えられた。
Keywords	地域サーベイランス, ESBL産生腸内細菌科細菌, メタロ-β-ラクタマーゼ, 多剤耐性緑膿菌（MDRP）