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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
臨床検体における改良型アクリジンオレンジ蛍光染色液の抗酸菌染色性評価及び抗酸菌基準株に対する染色像の比較 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
五十嵐 ゆり子1）, 近松 絹代1）, 青野 昭男1）, 本橋 加津恵2）, 中井 ひとみ2）, 青井 秀樹2）, 水野 和重2）, 山田 博之1）, 髙木 明子1）, 御手洗 聡1） |
| 所属 |
1）公益財団法人結核予防会結核研究所抗酸菌部
2）公益財団法人結核予防会複十字病院臨床検査部 |
| 発行 |
臨床微生物：29（1），12─16，2018 |
| 受付 |
平成30年4月9日 |
| 受理 |
平成30年10月19日 |
| 要旨 |
アクリジンオレンジ蛍光染色液であるアクリステイン（極東製薬工業）の改良型製品を用いて，抗酸菌の染色性能について従来法との比較評価をした。結核診療中および非結核性抗酸菌（NTM）症診療中の患者から採取した喀痰計202検体を対象とし，アクリステイン及び改良型アクリステイン，オーラミンO染色の3通りの方法で染色を行った。アクリステインと改良型アクリステインでは一致率93.6％（κ=0.783），改良型アクリステインとオーラミンO染色では一致率93.6％（κ=0.749），アクリステインとオーラミンO染色は一致率92.1％（κ=0.719）であった。アクリステインと改良型アクリステインの塗抹陽性度を比較すると改良型アクリステインの方が陽性度の高い検体は35検体，低い検体は5検体であった。抗酸菌基準株を用いた染色像の比較では，Mycobacterium avium，Mycobacterium intracellulare，Mycobacterium gordonaeの3菌種において，アクリステインよりも改良型アクリステイン及びオーラミンO染色，チール・ネールゼン染色の方が強い発色を認めた。
改良型アクリステインは従来のアクリステインより塗抹陽性度の高い検体が多く，一部のNTM基準株に対する染色もアクリステインでは不十分であったが改良型では十分な染色像が観察できたことから，アクリステインから染色液成分を変更したことによって染色性能が向上したと考えられた。他方，迅速発育菌に対してはアクリステイン，オーラミンO染色と同じく染色が不十分であることに留意して使用すべきと考えられた。 |
| Keywords |
抗酸菌, 塗抹検査, 蛍光染色 |
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