|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
Campylobacter fetusによる右内腸骨動脈感染性動脈瘤の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
猪瀬 里夏1), 上蓑 義典2,3), 永田 美香1), 上遠野 保裕1), 柴田 綾子1), 宇野 俊介3), 藤原 宏3), 松原 健太郎4), 尾原 秀明4), 長谷川 直樹3), 村田 満2) |
所属 |
1)慶應義塾大学病院臨床検査科
2)慶應義塾大学医学部臨床検査医学
3)慶應義塾大学医学部感染制御センター
4)慶應義塾大学医学部外科学 |
発行 |
臨床微生物:29(1),17─20,2018 |
受付 |
平成30年5月1日 |
受理 |
平成30年7月31日 |
要旨 |
Campylobacter fetusはグラム陰性らせん状小桿菌である。ヒトでは妊婦や基礎疾患をもつ易感染性患者における菌血症,感染性動脈瘤などの起因菌として知られているが,免疫不全のない宿主における感染性動脈瘤の報告は少ない。
60代男性,20年前にC型肝炎治療歴がある以外には著患なし。38℃台の発熱と持続する右側腹部痛にて受診し,造影CT検査にて右内腸骨動脈瘤を指摘され手術目的で入院した。入院5日目に入院時に採取した血液培養よりグラム陰性らせん状桿菌を検出した。また,切除された動脈瘤壁の組織培養からもグラム陰性らせん状桿菌を検出し,C. fetusと同定された。文献検索では,C. fetusによる感染性動脈瘤は腹部大動脈が多く,免疫不全を認めない例における内腸骨動脈感染性動脈瘤の報告例は限られていた。 |
Keywords |
Campylobacter fetus, 内腸骨動脈, 感染性動脈瘤, 菌血症 |
|