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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 神奈川県内中小規模医療施設から分離されたCTX-M型β-lactamase産生Escherichia coliの疫学調査
論文言語 J
著者名 除村 萌1), 蓮沼 裕也1,2), 石松 尚3), 角田 拓也4), 徳岡 由一1,2)
所属 1)桐蔭横浜大学大学院工学研究科医用工学専攻
2)桐蔭横浜大学医用工学部生命医工学科
3)(株)保健科学研究所感染症分析センター
4)(株)保健科学研究所検査本部
発行 臨床微生物:29(1),21─27,2018
受付 平成30年2月7日
受理 平成30年6月29日
要旨  本研究では,神奈川県内の病床数300床以下の中小規模病院から臨床検査センターを経て分離されたextended-spectrum β-lactamase(ESBL)産生Escherichia coli 207株を用いて,薬剤感受性および分子疫学調査を実施した。全ての株がIPMに感性を示し,一方でCPFXの非感性率は93%であった。地域別では,CAZの非感性率は湘南地区が68%と最も高く,一方,相模原地区は他の地域よりCMZ,CAZおよびCFPMの非感性率が低い傾向だった。本研究により,単一県内であっても地域によって薬剤感受性データが異なることが示された。また,ESBL遺伝子はCTX-M-1 groupではCTX-M-15型が51株,CTX-M-9 groupではCTX-M-27型が64株でそれぞれ最も優位であった。さらにCAZに耐性を示すD240 Gのアミノ酸置換を保有する遺伝子型(CTX-M-15,-55,-27)は全体のうち123株(59%)だった。本研究は院内に細菌検査室を有しない医療施設を含めた神奈川県内および隣接地域へ疫学情報を提供し,地域を包括した感染制御に寄与すると考えられる。
Keywords ESBL, Escherichia coli, サーベイランス, 中小規模病院, 神奈川県
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