学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 救急部門における微生物検査に関する多施設調査
論文言語 J
著者名 志馬 伸朗1,2), 柳原 克紀1,3), 渡邉 学1,4), 森田 正則1,5), 佐々木 雅一6), 品川 雅明7), 木村 由美子8), 佐々木 淳一1,9), 横田 裕行1,10)
所属 1)日本救急医学会救急外来部門における感染対策検討委員会(ERIC)微生物検査ワーキンググループ
2)広島大学大学院医歯薬保健学研究科救急集中治療医学
3)長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学分野(臨床検査医学)
4)東邦大学医療センター大橋病院外科
5)堺市立総合医療センター救命救急センター
6)東邦大学医療センター大森病院臨床検査部
7)札幌医科大学附属病院検査部
8)長崎大学病院検査部
9)慶應義塾大学医学部救急医学
10)日本医科大学救急医学
発行 臨床微生物:29(1),28─31,2018
受付 平成30年7月12日
受理 平成30年9月5日
要旨  救急部門における微生物検査は,適切な感染症診断から治療につながる重要な検査である。特に緊急対応における現状と問題点を明らかにするために,日本臨床微生物学会認定臨床微生物検査技師登録者施設370施設を対象に書面調査を行った。229施設(62%)より回答を得,三次救急49%,二次救急47%,一次救急4%であった。24時間365日対応可能な微生物検査部門を有する施設は10%で,日勤帯のみ365日対応23%であった。24時間365日対応への障壁は,人員82%,教育88%であった。微生物検査室を含む検査部門で24時間365日対応可能な割合は,グラム染色38%,抗酸菌染色49%,血液培養検査受付85%,血液培養陽性時報告14%,各種迅速検査キットは60-80%であった。微生物検査の救急対応状況は十分とはいえない。今後の整備の方向性を議論し,整備状況と抗菌治療/予後との関連性を評価する必要がある。
Keywords 救急, 微生物検査, 体制
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