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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
血液培養ボトルで継代することにより分離し得たLeptotrichia hongkongensisによる敗血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
仲田 佑未1), 室田 博美1), 森下 奨太1,3), 寺岡 千織1), 田仲 祐子1), 大楠 清文2), 千酌 浩樹3) |
所属 |
1)鳥取大学医学部附属病院検査部
2)東京医科大学微生物学分野
3)鳥取大学医学部附属病院感染制御部 |
発行 |
臨床微生物:29(2),78─82,2019 |
受付 |
平成30年7月5日 |
受理 |
平成30年12月25日 |
要旨 |
症例は1歳9か月,女児。発熱を認め来院,受診時の血液培養検査が陽性となった。血液培養ボトル内溶液のグラム染色像は紡錘状グラム陰性桿菌を認めたが,平板培地のサブカルチャーでは発育を認めなかった。そのため,ヒト血液に培養液を加えて血液培養ボトルに接種し,再培養を実施した。再培養した血液培養ボトルは46.0時間で陽性になり,嫌気条件下でのサブカルチャーでは平板培地に48時間後発育を認めた。発育したコロニーの質量分析では同定不能となり,16S rRNA遺伝子解析でLeptotrichia hongkongensisと同定された。グラム染色所見,生化学性状,遺伝子解析結果から総合的に判断してL. hongkongensisと同定した。通常Leptotorichiaは嫌気環境下で発育し,特別な培養法を必要としないが,本症例は初代培養では菌の分離が不可能であり,血液培養ボトルで継代することにより分離し得た症例であった。 |
Keywords |
Leptotrichia hongkongensis, 紡錘状グラム陰性桿菌, 血液培養検査, 敗血症 |
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