| 論文名 |
“Helicobacter rappini”による感染性腹部大動脈瘤と菌血症の1症例 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
増川 浩範1）, 松村 康史2）, 青山 孝信3） |
| 所属 |
1）大阪府済生会野江病院臨床検査科
2）京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部
3）大阪府済生会野江病院心臓血管外科 |
| 発行 |
臨床微生物：29（3），158─163，2019 |
| 受付 |
平成30年11月28日 |
| 受理 |
平成31年3月14日 |
| 要旨 |
今回我々は，“Helicobacter rappini”が起因となった感染性腹部大動脈瘤の症例を経験した。症例は80歳代女性，発熱，食欲不振，腹痛，左腰下部痛のため外来受診された。腹部CT検査の結果，感染性腹部大動脈瘤が疑われ入院となった。入院時の血液培養よりらせん状のグラム陰性桿菌が検出され，形態および生化学的性状よりHelicobacter属を疑った。抗菌薬治療と人工血管置換術により患者は軽快退院し，その後少なくとも1年間は再発がなかった。血液培養より分離された菌株と動脈瘤組織の16S rRNA遺伝子解析の結果，原因菌は“H. rappini”と同定された。本菌は未だ正式に菌種登録がなされておらず，その臨床像に関する報告も希少であるため報告する。 |
| Keywords |
“Helicobacter rappini”, 感染性腹部大動脈瘤, “Flexispira rappini” |
