|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
Granulicatella adiacensによる化膿性脊椎炎を合併した感染性心内膜炎の症例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
片山 雪絵1), 泉屋 奈美1), 蔵 明子1), 廣瀬 杏子1), 元地 進1), 駒井 啓吾1), 米山 宏2), 金山 寿賀子2) |
所属 |
1)医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院検査部
2)医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院内科 |
発行 |
臨床微生物:30(1),25─29,2019 |
受付 |
平成31年2月14日 |
受理 |
令和元年9月18日 |
要旨 |
今回,nutritionally variant streptococci(NVS)の一種であるGranulicatella adiacensによる化膿性脊椎炎を合併した感染性心内膜炎の症例を経験した。患者は60歳代男性,食欲不振と腰痛を主訴に来院,診察時に心雑音および胸部X線で心拡大,胸水が認められ経胸壁心臓超音波所見より僧房弁閉鎖不全,大動脈弁閉鎖不全による心不全と診断された。MRI画像より腰椎(L4,L5)化膿性脊椎炎および椎間板炎と診断された。入院後採取した血液培養からグラム陽性レンサ球菌を検出し質量分析装置matrix-assisted laser desorption/ionization time of flight mass spectrometry(MALDI-TOF MS)にてGranulicatella adiacensと同定した。再度経胸壁心臓超音波検査を行い大動脈弁右冠尖に疣腫を疑うエコー像を認めた。抗菌薬治療ののち僧房弁および大動脈弁置換術が施行され僧房弁前尖と大動脈弁無冠尖に疣腫を確認した。NVSによる化膿性脊椎炎はまれであるが感染性心内膜炎の合併症として認識する必要がある。 |
Keywords |
Granulicatella adiacens, 感染性心内膜炎, 化膿性脊椎炎 |
|