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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)/カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)に対する感染対策
論文言語 J
著者名 八木 哲也
所属 名古屋大学大学院医学系研究科臨床感染統御学
発行 臨床微生物:30(4),245─252,2020
受付 令和2年7月20日
受理
要旨  カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)をはじめとする多剤耐性菌の蔓延は,新型コロナウイルスが世界を席巻している今も変わらず,重大な臨床的,公衆衛生学的な課題である。多剤耐性菌のコントロールには,疫学的知見に基づいたリスク評価,抗菌薬適正使用と水平伝播を防止する感染対策の実践,感染症患者の適切な治療が重要である。これらに関する新たな知見は,日進月歩で蓄積されてきている。本稿では,CRE及びカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)に対する感染対策について,国内外で報告されているガイドラインやガイダンス,ポジションペーパーやツールキット,国家対策を探索し,感染対策立案に必要なリスク評価のポイント,感染対策上のポイント,保菌調査のポイントなどを整理した。CRE/CPEのコントロールは,一つの対策だけの実践で可能というわけではなく多面的なアプローチが必要である。多剤耐性菌時代に必要な感染対策の考え方の概要とそのポイントを解説した。各医療機関や各地域での連携における疫学→リスク評価→感染対策の立案と実践に役立てば幸いである。
Keywords カルバペネム耐性腸内細菌科細菌, カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌, リスク評価, 保菌調査, 感染対策
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