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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
Dermabacter jinjuensisによる人工血管使用皮下動静脈瘻感染症の一例 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
大西 由莉1）, 井口 光孝2）, 千田 澄江1）, 小柏 均1）, 土居 美樹1）, 明壁 均1）, 長田 ゆかり3）, 八木 哲也2） |
| 所属 |
1）常滑市民病院臨床検査センター
2）名古屋大学医学部附属病院中央感染制御部
3）名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門 |
| 発行 |
臨床微生物：30（4），253─257，2020 |
| 受付 |
令和2年1月17日 |
| 受理 |
令和2年4月21日 |
| 要旨 |
患者は維持透析中の63歳男性。1週前の透析後より脱血側穿刺部が腫脹していたが，同部位から排膿を認め来院した。人工血管使用皮下動静脈瘻感染が疑われ緊急で人工血管抜去・皮下動静脈瘻再建術が施行された。膿及び人工血管から発育したグラム陽性桿菌は，16S rRNA遺伝子配列解析でDermabacter jinjuensisと同定された。薬剤感受性検査ではdaptomycinのMICが高値を示した。D. jinjuensis感染症の報告は本邦初であるが，Dermabacter属細菌は皮膚常在菌叢を構成する細菌であることから，透析時の穿刺により人工血管に感染したと考えられた。同菌による感染症が疑われる場合は適切な同定・感受性検査の実施と臨床側への情報提供が重要と考えられた。 |
| Keywords |
Dermabacter jinjuensis, Gram-Positive Bacterial Infections, Surgical Arteriovenous Shunt, 16S rRNA, DNA Sequence Analysis |
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