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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
海外渡航歴のない日本人男性の血液培養から新規Brucella属菌を検出した一症例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
加藤 亮介1), 井出 京子1), 上原 雅江1), 仲野 惟2), 池添 正哉2), 岡田 邦彦3), 嶋崎 剛志3), 木村 昌伸4), 今岡 浩一4) |
所属 |
1)佐久医療センター臨床検査科
2)佐久医療センター腎臓内科
3)佐久医療センター救命救急センター
4)国立感染症研究所獣医科学部 |
発行 |
臨床微生物:30(4),258─263,2020 |
受付 |
令和2年2月26日 |
受理 |
令和2年5月25日 |
要旨 |
ブルセラ症はBrucella属菌によって引き起こされる世界的に重要な人獣共通感染症であるが,家畜衛生対策が進んだ日本では家畜ブルセラ菌感染例は輸入例に限られている。今回我々は,海外渡航歴のない日本人男性の血液培養よりBrucella属菌が分離された症例を経験した。当該菌の精査の結果,これまで日本では報告されていないB. suis biover 5に近縁なBrucella属菌と確認され,治療に用いられることが多いRifampicinに耐性を示した。本菌の感染経路や国内における分布は不明ではあるが,国内に定着している可能性も否定できないことから,不明熱を呈する患者の血液培養から同定不能なグラム陰性小桿菌が検出された場合は,本菌も考慮し可能な限り詳細な同定検査が望まれる。 |
Keywords |
人獣共通感染症, Brucella suis biovar 5, 国内感染 |
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