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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
播種性Mycobacterium haemophilum感染症の1例 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
大野 達也1）, 安西 桃子1）, 田中 洋輔1）, 大栁 忠智2）, 谷口 優香1）, 川口 珠巳1） |
| 所属 |
1）聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院臨床検査部
2）聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部 |
| 発行 |
臨床微生物：31（2），92─97，2021 |
| 受付 |
令和2年8月25日 |
| 受理 |
令和2年12月3日 |
| 要旨 |
症例は30代女性。皮膚筋炎の加療目的にステロイドおよび免疫抑制剤を使用していた。発熱，両下腿の皮下結節および両膝関節伸側に結節性紅斑様皮疹を認め，加療目的に入院となった。入院後にステロイドを増量するも改善を認めず，第6病日に採取した滲出液と誘発吸入喀痰から抗酸菌を検出し，clarithromycin（CAM），ethambutol（EB），isoniazid（INH），rifampicin（RFP）による治療を開始した（肝障害を考慮しINHは2日間で投与終了）。抗菌薬投与後はすみやかに解熱を認め，同時期に皮疹の消退も認めた。第21病日に，再度発熱を認め，CAM，EB，RFPをlevofloxacin（LVFX），minocycline（MINO），streptomycin（SM）に変更した（MINOは第34病日に投与終了）。第38病日に血液および滲出液から検出した抗酸菌がMycobacteriumhaemophilumと同定された。その後も現行の治療を継続し，第57病日に軽快退院となった。第65病日に薬剤感受性検査結果が判明したのち，LVFX，SMに加えてCAMの追加投与を開始した。1年以上抗菌薬加療を継続しており，再発および再燃は認めていない。国内での播種性M. haemophilum感染症の報告は少なく，詳細な薬剤感受性成績は貴重なデータであると考え報告する。 |
| Keywords |
Mycobacterium haemophilum, 播種性皮膚感染症, 皮膚筋炎, ディスク溶出法, 感受性検査 |
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