学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 市販輸送培地におけるNeisseria meningitidis生菌数の経時的変動
論文言語 J
著者名 小林 亜由香1), 中島 淳1), 大塚 武2), 飯草 正実3), 酒井 雄一郎4), 佐多 章5), 大城 健哉6), 菊地 孝司7), 菊池 俊8), 松本 裕子9), 宮原 聖奈10), 宮平 勝人11), 神谷 元12), 高橋 英之13), 東田 修二1), 齋藤 良一14)
所属 1)東京医科歯科大学医学部附属病院検査部
2)千葉市立海浜病院臨床検査科
3)獨協医科大学埼玉医療センター感染制御部
4)横浜市立みなと赤十字病院検査部
5)宮崎県立宮崎病院臨床検査科
6)那覇市立病院医療技術部検査室
7)さいたま市健康科学研究センター保健科学課臨床微生物係
8)千葉県衛生研究所細菌研究室
9)横浜市衛生研究所検査研究課細菌担当
10)宮崎県衛生環境研究所微生物部
11)沖縄県八重山保健所生活環境班
12)国立感染症研究所感染症疫学センター
13)国立感染症研究所細菌第一部
14)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子病原体検査学分野
発行 臨床微生物:31(2),108─112,2021
受付 令和2年7月13日
受理 令和2年12月3日
要旨  輸送培地2種(キャリブレア培地と活性炭含有アミーズ培地)におけるNeisseria meningitidisの生育の関係性を解析した。N. meningitidis ATCC 13077および臨床分離株の菌液の一定量をスワブに接種後,4℃または25℃で静置した。1,3および7日経過後,スワブをチョコレート(CA)寒天培地に直接塗抹する方法(直接法),およびスワブを滅菌生理食塩水に浮遊後,その一定量をCA寒天培地に塗抹する方法(定量法)により,経時的な生菌数を測定した。直接法と定量法において,ATCC13077株をアミーズ培地で4℃保存した生菌数は,25℃で保存した場合と比して,時間依存的な減少は穏やかであることを見出した。これらの傾向はキャリブレア培地でも確認された。しかし,これらの結果は菌株の性質で異なる可能性も示唆された。以上より,4℃条件下で本菌をアミーズ培地とキャリブレア培地で保存することは菌の死滅を最小限に抑える方法であることが明らかとなった。
Keywords 侵襲性髄膜炎菌感染症, Neisseria meningitidis, 輸送培地
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