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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
Vitek MSによるEnterobacter cloacae complexの識別能の検討 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
松井 理乃1）, 細田 卓也1）, 和久田 光毅1）, 土井 洋平2,3）, 鈴木 匡弘2） |
| 所属 |
1）藤田医科大学病院臨床検査部
2）藤田医科大学医学部微生物学講座
3）藤田医科大学医学部感染症科 |
| 発行 |
臨床微生物：31（2），113─115，2021 |
| 受付 |
令和2年7月14日 |
| 受理 |
令和2年12月24日 |
| 要旨 |
Enterobactercloacae complexに属する主要な菌種にはE. asburiae，E. hormaechei，E. kobei，E. ludwigii，E. nimipressuralisなどがある。これらの菌種は生化学的性状での鑑別が困難であるため，検査室からは慣例的にE. cloacae complexとして報告されてきた。微生物検査室において質量分析装置（MALDI-TOF MS）が普及したことにより，生化学的性状では分類できなかった菌種についても種名が出力されるようになった。そこで本研究では，2014年1月から2018年8月の間に当院で各種臨床検体から分離され凍結保存されていたE. cloacae complex 54株を用い，VITEK MSによる菌種同定結果と，全ゲノム解析による菌種同定結果の比較を行った。E. cloacae complex臨床分離株54株のうち，VITEK MSとAverage Nucleotide Identity法で菌種同定が完全一致したものは1株，VITEK MSが複数菌種をレポートした中に一致した菌種が含まれたものが8株で，一致率は合わせて17％にとどまった。このことから，VITEK MSで同定されるE. cloacae complexについては，現時点では菌種ではなくE. cloacae complexとして報告することが適切と考えられる。 |
| Keywords |
質量分析, 全ゲノム解析, 菌種同定 |
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