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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 GENECUBE専用抗酸菌検出試薬における抗酸菌交差反応性の評価
論文言語 J
著者名 川嶋 洋介1), 近松 絹代2), 杉山 明生3), 鈴木 広道4), 御手洗 聡2)
所属 1)東洋紡株式会社バイオテクノロジー研究所
2)公益財団法人結核予防会結核研究所抗酸菌部
3)東洋紡株式会社診断システム事業部
4)筑波大学医学医療系感染症内科学
発行 臨床微生物:31(3),161─169,2021
受付 令和3年3月2日
受理 令和3年4月19日
要旨  168種の抗酸菌基準株を対象にジーンキューブMTB/MAC/MAI(G-MTB,G-MAC,G-MAI)の最小検出限界と交差反応性を評価した。各検出試薬の検出対象菌は正しく同定され,各々の最小検出限界はMcFarland No. 1×10-5-10-6であった。G-MTBは交差反応を認めなかったが,M. haemophilumの融解曲線解析結果では低温に検出ピークを認めた。G-MAIのM. intracellulare検出試薬ではピークが認められた非検出対象菌は15種あり,うち7種は偽陽性,8種は低温でのピークであった。G-MAIのM. avium検出試薬では検出対象菌以外にピークを認めた種は16種であり,全て低温ピークであった。難培養性と言われるM. genavenseはG-MACおよびG-MAIのM. intracellulare検出試薬で陽性と判定された一方で,M. avium検出試薬では低温でピークを認めた。M. lentiflavumも同様の結果を示したが,M. intracellulare検出試薬における最小検出限界は,M. genavenseがMcFarland No. 1×10-4に対しM. lentiflavumは10-1であり1,000倍の差が認められた。本研究によりGENECUBE専用の抗酸菌検出試薬で様々な抗酸菌が特徴的な検出パターンを示すことが明らかとなった。
Keywords Mycobacterium tuberculosis, Non-tuberculosis mycobacterium, Cross-reactivity, GENECUBE, QProbe
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