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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
鼻腔由来黄色ブドウ球菌臨床分離株におけるムピロシン感受性の検討 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
渋谷 泰寛1,3）, 鯉渕 晴美1）, 大野 高司2）, 伊東 紘一1） |
| 所属 |
1）自治医科大学医学部 臨床検査医学
2）自治医科大学附属病院 臨床検査部
3）現・東京都立広尾病院 呼吸器科 |
| 発行 |
臨床微生物：13（1），15─18，2003 |
| 受付 |
平成14年11月12日 |
| 受理 |
平成15年3月3日 |
| 要旨 |
2000年10月から2002年3月の間に，自治医科大学附属病院細菌検査室から分離された鼻腔由来Staphylococcus aureus（S.aureus）315株を対象にして，mupirocin（MUP）とoxacillin（MPIPC）の感受性を対比して測定した。同一患者から分離された菌株の重複を避けた。minimal inhibitory concentration（MIC）値の測定はEtestを用いた。
MUPのMIC値は＜0.064から4μ/mlの間に分布した。4μ/ml以上を耐性，512μ/ml以上を高度耐性とすると6株（1.9%）が耐性株であった。高度耐性株は認められなかった。methicillin-susceptible S.aureus（MSSA）の0.9%，methicillin-resistant S.aureus（MRSA）の2.5%，MPIPCのMIC値が256μ/ml以上の株の7.5%がMUP耐性であった。MPIPCのMIC値が256μ/ml以上の株ではMUPのMIC値の幾何平均は0.069μ/mlで，4-128μ/mlの株（0.044μ/ml）に比較して有意に高値を示した（p＜0.05）。
以上の結果から，調査時点では鼻腔内MRSA除菌には支障をきたさないが，今後は高度耐性菌の出現を監視する必要がある。また，MPIPCとMUPのMIC値の間に何らかの関係のある可能性が示唆された。 |
| Keywords |
mupirocin, MRSA, 耐性菌, 抗菌薬適正使用, 幾何平均 |
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