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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Cyclospora cayetanensisとPlesiomonas shigelloidesの混合感染の症例報告ならびに糞便塗抹検査の重要性について |
論文言語 |
J |
著者名 |
石川 恵子 |
所属 |
浦安市川市民病院 検査科 |
発行 |
臨床微生物:13(2),117─121,2003 |
受付 |
平成14年10月7日 |
受理 |
平成15年7月6日 |
要旨 |
当院外来を受診したタイカンボジア旅行後の27歳男性の糞便より,Cyclospora cayetanensisとPlesiomonas shigelloidesを検出した1症例を経験した。
サイクロスポーラは下痢を起こす腸管寄生原虫でオーシストの経口感染により発症する。本邦での検出例はまだ少ない。Plesiomonas shigelloidesは海外渡航者からの分離頻度が高い食中毒指定菌であり,汚染水や汚染食品の経口感染により腸炎を引き起こす。本症例は両者の混合感染である。
海外渡航者による輸入感染症では複数の微生物による混合感染事例も少なくないため,原虫などの細菌以外の微生物も対象とした多岐にわたる検査を行う必要がある。
塗抹検査は培養検査や集原虫法の前段階として行われ多くの微生物を検出推定するためのスクリーニング検査として,きわめて重要な検査法である。 |
Keywords |
Cyclospora cayetanensis, Plesiomonas shigelloides, 輸入感染症, 混合感染, 塗抹検査 |
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