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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Actinobacillus actinomycetemcomitansによる細菌性心内膜炎の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
山本 剛1,2), 黒川 学3), 西口 光1), 阪下 哲司1), 片岡 陳正2) |
所属 |
1)西神戸医療センター 臨床検査技術部
2)神戸大学大学院医学系研究科
3)神戸市環境保健研究所 |
発行 |
臨床微生物:13(2),122─126,2003 |
受付 |
平成14年11月22日 |
受理 |
平成15年7月2日 |
要旨 |
今回我々は,Actinobacillus actinomycetemcomitansによる感染性心内膜炎の1例を経験した。患者は53歳,男性。会社の健康診断にて不整脈を指摘され近医を受診するも改善がなく,悪寒が持続するため再度受診したところ,CRP14.7 mg/dlと高値,尿検査で上皮円柱を認めたため当院へ紹介となった。受診時に収縮期心雑音,心エコー検査で感染性心内膜炎のエコー所見を認め入院となった。入院時に採取された血液培養よりグラム陰性の短桿菌を検出したが,発育要求の厳しい通常検出されにくい細菌と判断されたため,従来法と16S rRNA上の遺伝子より解析することでA. actinomycetemcomitansと同定された。薬剤感受性成績はβラクタム薬に良好な値を示した。患者はsulbactam/ampicillinおよびgentamicinにより加療され,著効したため28日病日後軽快により退院となった。今回の症例では菌同定に苦慮したが,従来法と16S rRNAの塩基配列により起炎菌の同定が迅速に行え,診断治療が速効した症例であった。 |
Keywords |
Actinobacillus actinomycetemcomitans, 感染性心内膜炎, 16S rRNA, オキシダーゼテスト |
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