|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
広域β-ラクタム薬耐性に関与するβ-ラクタマーゼの特徴と遺伝的相関 |
論文言語 |
J |
著者名 |
荒川 宜親 |
所属 |
国立感染症研究所細菌第二部 |
発行 |
臨床微生物:13(3),150─161,2003 |
受付 |
平成15年10月28日 |
受理 |
|
要旨 |
内外の医療現場では,セフタジジムなどのオキシイミノセファロスポリン(いわゆる第三世代セファロスポリン)を分解するTEM-,SHV-由来の基質スペクトル拡張型β-ラクタマーゼ(ESBLs)やセフォタキシム,セフトリアキソンを効率良く分解するCTX-M-型β-ラクタマーゼ,さらに,セフミノクスやラタモキセフを分解するCMY-型β-ラクタマーゼなどを産生するグラム陰性桿菌が出現・増加し,医療現場で問題となっている。一方では,IMP-型やVIM-型などのメタロ-β-ラクタマーゼを産生するカルバペネム耐性の腸内細菌科の細菌やブドウ糖非発酵菌群もほぼ地球上の全ての地域から報告されるようになり,広域β-ラクタム薬による化学療法に支障をきたす事例が発生している。その他にも,種々の新規のβ-ラクタマーゼを産生する株が出現しており,それらの状況は非常に複雑かつ渾沌とした状況になりつつあるため,それらを遺伝学的な視点から整理し,各々の特徴について紹介する。 |
Keywords |
β-ラクタマーゼ, セファロスポリナーゼ, セファマイシナーゼ, カルバペネマーゼ, 遺伝子型別, 分子分類, 機能分類 |
|