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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 長期血液透析患者より分離されたバンコマイシン高度耐性のVanD型Enterococcus raffinosus
論文言語 J
著者名 丸山 英行*1), 谷本 弘一2), 柴田 尚宏3), 菅野 治重*4), 池 康嘉2), 荒川 宜親3)
所属 1)帝京大学医学部附属市原病院(*現:千葉県済生会習志野病院 所属)
2)群馬大学医学部微生物学講座
3)国立感染症研究所 細菌第二部
4)千葉大学医学部附属病院(*現:高根病院 所属)
発行 臨床微生物:14(2),104─110,2004
受付 平成16年2月3日
受理 平成16 年6月18日
要旨  Enterococcus faecalisEnterococcus faeciumなどの菌種において,vanA,またはvanB遺伝子クラスターを保有する株がVancomycin Resistant Enterococcus(VRE)として欧米の臨床現場で増加しているが,vanDを保有する株の国内外での検出例は未だ少ない。しかし,今回,国内の医療施設に入院中の患者よりVanD型のVREが分離されたので報告する。症例は,基礎疾患に糖尿病,慢性腎不全を有し,腎透析時,頻回にバンコマイシン(VCM)を投与されていた。患者の左下肢壊死部褥創からVCM,テイコプラニン(TEIC)共に高度耐性(>256μg/ml)を示すEnterococcusが分離され,生化学性状および16S rRNAの解析による遺伝子学的同定によりEnterococcus raffinosusであることが確認された。またVan型を確認するために行ったPCR解析では,vanA,vanB,vanCを検出する既存のプライマーにより増幅がかからなかったため,新たに細菌のD-Ala-D-Ala ligaseを増幅可能なPCRプライマーを設計し,PCR増幅されたDNA断片をシークエンスしたところvanD4と高い相同性が確認された。
Keywords Enterococcus raffinosus, vanD型遺伝子, vanD4, VRE, バンコマイシン耐性
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