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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
抗真菌薬感受性試験の現状と課題 |
論文言語 |
J |
著者名 |
山口 英世 |
所属 |
帝京大学医真菌研究センター |
発行 |
臨床微生物:14(3),129─145,2004 |
受付 |
平成16年10月5日 |
受理 |
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要旨 |
近年,抗真菌薬のクラスや品数が徐々に増える一方で,主要な治療薬に対して低感受性または耐性を示す菌種または菌株を含む病原真菌に起因する深在性真菌症の発生率は上昇の一途をたどっている。これらの理由から,抗真菌薬感受性試験の重要性が増し,米国NCCLSを中心に,酵母および糸状菌の感受性試験標準法の開発が進められてきた。その結果,酵母の感受性試験に関して大きな成果が得られ,特にCandida spp.とアゾール系薬または5-FCとの組み合わせにおいては,MICと臨床効果との間に良好な相関性が確認されている。その一方,AMPHおよび糸状菌に関しては,それぞれいかなる真菌および抗真菌薬と組み合わせても明らかなin vitro-in vivo相関性は得られていない。それ以上に大きな問題は,上市されて間もないとはいえすでに主要抗真菌薬の一つとして繁用されているキャンディン系薬(わが国のミカファンギン,欧米のcaspofungin)について酵母,糸状菌とも感受性試験法が標準化されていないことである。こうした抗真菌薬感受性試験の現状と今後の課題を論考した。 |
Keywords |
抗真菌薬, 感受性試験, 病原真菌, NCCLS M27-A, in vitro-in vivo相関性 |
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