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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
同一患者の血液およびその他複数検体から検出されたStaphylococcus aureusの臨床微生物学的および分子生物学的相同性 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
森木 省治1）, 野畑 亜希子1）, 柴田 宏1）, 益田 順一2）, 熊倉 俊一3） |
| 所属 |
1）島根大学医学部附属病院検査部
2）島根大学医学部臨床検査医学講座
3）島根大学医学部附属病院輸血部（ICT代表） |
| 発行 |
臨床微生物：14（3），153─158，2004 |
| 受付 |
平成16年4月12日 |
| 受理 |
平成16年8月16日 |
| 要旨 |
2002年7月から2002年12月の間に10症例の血液培養からStaphylococcus aureusが検出された。このうちの7症例では血液以外の検体からもS. aureusが検出され，これらのS. aureusについて，その相同性を臨床微生物学的および分子生物学的に検討した。7症例のS. aureusは5症例がコアグラーゼ（コ）II型のmethicillin resistant S. aureus（MRSA），残りの2症例はコ・VII型とコ・III型のmethicillin susceptible S. aureus（MSSA）であった。コ・VII型株が検出されたS. aureusは，oxacillin（MPIPC）に4から8 μg/mlのMICでborderline-resistant S. aureusであった。しかし，PCRによるmecAおよびpenicillin binding protein2'（PBP2'）は陰性であった。また，7症例から検出されたS. aureus計20株の相同性を検討したpulsed-field gel electrophoresis（PFGE）解析の結果，症例間の電気泳動像は異なっていたが，同一症例では1症例を除き，血液およびその他の検体から検出されたS. aureusの電気泳動像は同一パターンを示した。これらの臨床微生物学的および分子生物学的成績から血液培養から検出されたS. aureusとその他複数検体から検出されたS. aureusは，同一の菌株に由来することが示唆された。血液培養からS. aureusが検出される患者は，同一クローン株を内因的に保有し，そのクローン株による内因的感染症に進展する可能性が考えられた。 |
| Keywords |
血液培養, borderline-resistant S. aureus, PCR（polymerase chain reaction）, PFGE（pulsed-field gel electrophoresis）, 接触感染 |
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