 |
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
| 論文名 |
都立墨東病院で1997年から2003年に分離されたナリジクス酸耐性チフス菌，パラチフスA菌の動向 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
福家 淳1）, 原嶋 由佳理1）, 志宇 知有香1）, 櫻田 政子1）, 柏 真知子1）, 大西 健児2） |
| 所属 |
1）都立墨東病院検査科
2）都立墨東病院感染症科 |
| 発行 |
臨床微生物：14（3），159─163，2004 |
| 受付 |
平成16年4月26日 |
| 受理 |
平成16年8月16日 |
| 要旨 |
1997年から2003年までの7年間で，18例の腸チフス患者から18株のSalmonella Typhiを，パラチフス患者から14株のSalmonella Paratyphi Aを分離した。そのうちS. Typhi の8株，S. Paratyphi A の6株がnalidixic acid（NA）に耐性であった。これらNA耐性菌のciprofloxacinに対するMIC値は0.125～1 μg/mlであり，ニューキノロン系抗菌薬低感受性菌に分類された。NA感受性群では全18例がニューキノロン系抗菌薬の単剤投与で治療されたのに対し，NA耐性群は6例がニューキノロン系抗菌薬の単剤投与，2例がセフェム系抗菌薬の単剤投与，他の6例が2種類の抗菌薬で治療された。NA感受性群では再発例がなかったが，NA耐性群2例に再発が認められた。NA感受性群では平均有熱日数が3.8日であるのに対し，NA耐性群では6.3日であり，F-検定においても有意差が認められた（p＝8.8×10－6）。またニューキノロン系抗菌薬の単剤投与症例においても，NA感受性群で3.8日，NA耐性群で5.5日であり，有意差が認められた（p＝8.2×10－6）。 |
| Keywords |
Salmonella Typhi, Salmonella Paratyphi A, ナリジクス酸 |
|
