日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

Full Text of PDF (801K)
Article in Japanese

論文名	Japan Antifungal Surveillance Programによる真菌臨床分離株の抗真菌薬感受性に関する調査（1）：2001～2002年度報告
論文言語	J
著者名	山口　英世1）, 内田　勝久1）, 奥住　捷子＊2）, 小栗　豊子3）, 安達　桂子4）, 川上　小夜子5）, 戸坂　雅一6）, 川島　千恵子7）, 堀　雅子8）, 北澤　俊美9）, 林　和10）, 齋藤　芳彦11）, 尾崎　京子12）, 西山　彌生1）, 抗真菌薬感受性サーベイランス研究会
所属	1）帝京大学医真菌研究センター 2）東京大学医学部附属病院検査部（＊現：獨協医科大学病院医療安全管理部） 3）順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部 4）東京都老人医療センター研究検査科 5）帝京大学医学部附属病院中央検査部 6）熊本大学医学部附属病院中央検査部 7）足利赤十字病院臨床検査部 8）岡山済生会総合病院中央検査科 9）きっこう会総合病院多根病院中央検査部 10）自治医科大学大宮医療センター臨床検査部 11）東北大学医学部附属病院検査部 12）新潟大学医歯学総合病院検査部
発行	臨床微生物：14（3），183─193，2004
受付	平成16年9月14日
受理	平成16年10月12日
要旨	2001年6月および2002年3月の2カ月間に全国11施設において臨床検体から分離された真菌576株について，fluconazole (FLCZ), itraconazole (ITCZ), voriconazole (VRCZ) およびflucytosineに対する薬剤感受性を現行の標準的試験法に準拠して測定した。収集菌株は，糸状菌4株を除きすべて酵母であり，Candida属菌種が556株（97％）と圧倒的多数を占めた。上位菌種は，C. albicans 326株（56.6％），C. glabrata 131株（22.8％），C. tropicalis 57株（9.9％），C. parapsilosis 20株 (3.5％) の順であった。日本医真菌学会法を用いて測定した場合のFLCZ耐性株頻度は，C. tropicalisで47％，C. albicansその他の菌種で 5％前後の高い値を示した。一方，trailing growth による誤判定を避けるために修正された NCCLS M27-A2 プロトコールを用いて再試験を行ったところ，C. tropicalisを含む主要なCandida属菌種での耐性株頻度は0～4％に低下した。ITCZおよびVRCZについてもほぼ同様の成績が得られた。今回の試験成績から，国内におけるFLCZその他のアゾール系薬剤に対するCandida属菌種耐性株の出現は依然としてまれであることが示された。
Keywords	抗真菌薬感受性試験, 抗真菌薬感受性サーベイランス, 真菌臨床分離株, Candida属菌種, 薬剤耐性