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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 イムノクロマト法を用いたベロ毒素の迅速検出法の評価
論文言語 J
著者名 河原 隆二, 勢戸 和子, 田口 真澄, 小林 一寛
所属 大阪府立公衆衛生研究所
発行 臨床微生物:14(3),194─198,2004
受付 平成16年7月8日
受理 平成16年9月24日
要旨 腸管出血性大腸菌(EHEC)のベロ毒素(VT)の迅速検出法としてイムノクロマト法を応用したキャピリアVT(日本ベクトン・ディッキンソン)の有用性を逆受身ラテックス法(RPLA法)と比較検討した。大阪府下で分離されたEHEC 39株および他の病原細菌50株を用いて試験を行ったところ,特異性は100%一致したが,感度はRPLA法の1/4から1/16を示した。本キットは操作が極めて簡便で,さらに迅速に結果が得られることから,EHECの鑑別方法として有用であると思われた。また臨床材料から直接VTを検出できるか検討するため,ヒト糞便(230検体)およびその増菌培地(83検体)に対して本キットと培養法を比較した結果,一致率は各々約80%,70%であったため,臨床材料からVTを検出するにはさらに検討が必要であると考えられた。
Keywords 腸管出血性大腸菌, ベロ毒素, イムノクロマト法, 迅速検査法
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