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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
High-Performance Liquid Chromatography-Mass Spectrometry法を用いた Bacillus cereusセレウリド(嘔吐毒)検出法の検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
川村 久美子1), 平間 佑美1), 安形 則雄2), 伊藤 秀郎1), 太田 美智男3) |
所属 |
1)名古屋大学医学部保健学科・検査技術科学専攻基礎検査学講座
2)名古屋市衛生研究所・微生物部
3)名古屋大学大学院医学系研究科・分子病原細菌学 |
発行 |
臨床微生物:15(2),68─76,2005 |
受付 |
平成16年11月11日 |
受理 |
平成17年3月16日 |
要旨 |
Bacillus cereus嘔吐型食中毒の診断においては,分離株のセレウリド産生性を検査することが重要である。近年,マススペクトロメトリー (High-performance liquid chromatography(HPLC)-mass spectrometry(MS)) を用いたセレウリド高感度検出法が行われるようになってきたが,定量性や操作法において未だ改良すべき点が残されている。
本測定法ではバリノマイシンを内部標準物質として添加し,Multiple Reaction Monitoring(MRM)モードによるHPLC-MS/MS解析を行った結果,精製セレウリド1.0 pmol以上を検出することができた。さらに,精製セレウリドとバリノマイシンとのマスクロマトの面積比を算出することにより得られた検量線は,0.1から25.0 μg/mLの広範囲内で原点を通る直線性を示した。また,本論文で用いたアセトニトリル抽出液の上層をHydrophilic Durapore(PVDF)膜にてろ過する簡易セレウリド抽出法の結果は,従来法であるHEp-2細胞空胞化変性試験結果と一致した。
本測定法は従来法と比較して,感度・特異性および定量性に優れており,簡易抽出法を導入することにより,簡便で迅速なセレウリド検出法になることが示された。 |
Keywords |
Bacillus cereus, セレウリド, HPLC-MS, 検出法 |
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