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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
電撃性紫斑病を呈した髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)による敗血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
櫻田 政子1), 原嶋 由佳理1), 福家 淳1), 志宇知 有香1), 柏 真知子1), 藤井 徹郎2), 加藤 康幸3), 大西 健児3) |
所属 |
1)東京都立墨東病院・検査科
2)同・内科
3)同・感染症科 |
発行 |
臨床微生物:16(1),8─12,2006 |
受付 |
平成17年7月1日 |
受理 |
平成17年12月7日 |
要旨 |
急速に増悪する紫斑病を呈したNeisseria meningitidisによる敗血症を経験したので報告する。患者は24歳,女性。咽頭痛出現後,高熱と四肢の疼痛および紫斑の出現により当院救急外来を受診し,集中治療室に入院となった。炎症所見,軽度の肝・腎機能障害を認めた。播種性血管内凝固症候群の進行に伴って,四肢の紫斑も広がり水疱を形成した。髄膜炎菌敗血症による電撃性紫斑病を疑い,直ちにcefotaximeの投与が開始され,血漿交換を実施した。入院時の血液培養からグラム陰性球菌を検出し,Slidex meningite-Kit 5でC群髄膜炎菌感作ラテックスで凝集した。IDテスト・HN-20でN. meningitidisと同定された。入院時よりプロテインC値の著明な低下が見られ,電撃性紫斑病との関連性が示唆された。その後,全身状態の改善は見られたものの,紫斑の一部は壊死化して膿瘍を形成したため両膝関節下からと両手の第3~5指が切断となった。家族の協力の下,積極的なリハビリが行われ退院となった。 |
Keywords |
Neisseria meningitidis, 電撃性紫斑病, 敗血症, プロテインC |
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