日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	Japan Antifungal Surveillance Programによる真菌臨床分離株の抗真菌薬感受性に関する調査研究（2）：2003年度報告
論文言語	J
著者名	山口　英世1）, 内田　勝久1）, 西山　彌生1）, 奥住　捷子2）, 小栗　豊子3）, 安達　桂子4）, 川上　小夜子5）, 戸坂　雅一6）, 三澤　慶樹7）, 川島　千恵子8）, 堀　雅子9）, 北澤　俊美10）, 林　和11）, 沖村　幸枝12）, 抗真菌薬感受性サーベイランス研究会
所属	1）帝京大学医真菌研究センター 2）獨協医科大学病院医療安全管理部 3）順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部 4）東京都老人病医療センター研究検査部 5）帝京大学医学部附属病院中央検査部 6）熊本大学医学部附属病院中央検査部 7）東京大学医学部附属病院感染制御部 8）足利赤十字病院臨床検査部 9）岡山済生会総合病院中央検査科 10）きっこう会総合病院多根病院中央検査部 11）自治医科大学大宮医療センター臨床検査部 12）信州大学医学部附属病院中央検査部
発行	臨床微生物：16（1），13─22，2006
受付	平成17年9月21日
受理	平成17年12月8日
要旨	2003年6, 7月の2カ月間に全国10施設において臨床検体から分離された真菌409株について，fluconazole（FLCZ）, itraconazole（ITCZ）, voriconazole（VRCZ）およびflucytosineに対する薬剤感受性をNCCLS M27-A2法に準拠して測定した。収集菌株は，糸状菌8株を除きすべて酵母であり，Candida属菌種が389株（95％）と圧倒的多数を占めた。上位菌種は，C. albicans223株（54.5％）, C. glabrata91株（22.3％）, C. tropicalis29株（7.1％）, C. parapsilosis27株（6.6％）の順であった。主要Candida属菌種におけるFLCZ耐性株頻度は，C. glabrata2.2％であったが，それ以外のC. albicansを含むその他の菌種で全く認められなかった。唯一の例外は非主要菌種のC. kruseiであり，7株中4株（57.2％）が耐性を示した。一方，ITCZについてはC. glabrata株の 1.1％, C. tropicalis株の3.5％が耐性であったが，VRCZ耐性株はいずれの菌種にも全く認められなかった。またCandida属主要菌種については，血液関連検体分離株とそれ以外の検体からの分離株との間で感受性に実質的な差は認められなかった。以上の試験成績から，高頻度にFLCZ耐性を示すC. kruseiを除けば，国内における三つのアゾール系薬，FLCZ, ITCZおよびVRCZ対するCandida属菌種の感受性は依然として高いことが示された。しかしこうした感受性の傾向を特定するためには，さらにサーベイランスを継続することが有用となろう。
Keywords	抗真菌薬感受性試験, 抗真菌薬感受性サーベイランス, 真菌臨床分離株, Candida属菌種, 薬剤耐性