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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 ブロスミックNTMで測定したMycobacterium avium-Mycobacterium intracellulare Complexに対する最小発育阻止濃度の再現性
論文言語 J
著者名 後藤 美紀1), 市川 真由美1), 渡邉 真博1), 渋谷 俊介1), 人見 重美2)
所属 1)筑波大学附属病院検査部
2)筑波大学臨床医学系
発行 臨床微生物:16(2),67─73,2006
受付 平成17年8月29日
受理 平成18年2月9日
要旨  Mycobacterium aviumMycobacterium intracellulare臨床分離株それぞれ6株に対する各種薬剤のMICを,ブロスミックNTMで測定し,その再現性と,判定者の経験および判定方法のガイダンスの有無がMIC値の再現性に及ぼす影響を検討した。1株当たり3枚のプレートに接種し,ブロスミックNTMでの判定経験がある者(有経験者)とない者(未経験者)それぞれ5名が,判定方法のガイダンスの前後にMIC値を判定した。有経験者がガイダンス後に判定したMIC値を集計したところ,M. aviumの1株がカナマイシンで,M. intracellulareの1株がイソニアジドで,MIC値に2管差を超える差が生じた。ガイダンス前に判定したMIC値の再現性が,未経験者群より有経験者群の方で良好だったのは,M. aviumではストレプトマイシン・エタンブトール・カナマイシン・リファンピシン・レボフロキサシン・クラリスロマイシン・エチオナミドで,M. intracellulareではストレプトマイシン・エタンブトール・カナマイシン・アミカシンだった。未経験者群でガイダンス後に再現性が向上したのは,M. aviumでエタンブトールだけであり,他の菌種と薬剤の組み合わせでは,有意差がないか逆に悪くなった。ブロスミックNTMの使用に当たっては,MIC値を目視で再現よく判定するためのガイダンスを,事前に十分行うことが必要である。
Keywords ブロスミックNTM, MAC, MIC
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