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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
家族内感染が疑われたNeisseria meningitidisによる乳児菌血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
白井 和美, 池部 晃司, 笹谷 真奈美, 林田 静枝 |
所属 |
厚生連廣島総合病院臨床研究検査科 |
発行 |
臨床微生物:16(3),151─154,2006 |
受付 |
平成17年6月17日 |
受理 |
平成18年8月8日 |
要旨 |
家族内感染と推測された乳児のNeisseria meningitidisによる菌血症を経験した。症例は,食道閉鎖症術後の生後3カ月女児。夜半から発熱,不機嫌,哺乳量減少があり,その後けいれんを起こしたためため,当院を受診した。発熱,けいれんなどにより髄膜炎が疑われ入院となった。入院時に採取した血液培養の塗抹検査で大小不同のグラム陰性球菌を確認し,N. meningitidisと同定した。入院時よりampicillinとceftriaxoneが投与され,翌日には解熱し,哺乳も徐々に改善されたため,7日後退院となった。家族の保菌調査で母親からもN. meningitidisが検出された。患者は乳児であり,母親との接触は避けられないため母親の除菌を行った。本症例は,迅速な対応により比較的軽症で推移し,さらに家族内の保菌調査により家族内感染が考えられた症例であった。 |
Keywords |
Neisseria meningitidis, 血液培養, 保菌調査, 除菌 |
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